~同じ絵と絵をつなぐ~
えんぴつをもって書くことができるようになったら、「同じ絵と絵を線でつなぐ」課題をやらせてみましょう。
この課題は、上位の概念につながる課題の基礎になります。
<絵と絵のつなぎ>はえんぴつを持ったままで、紙面全体に目線を動かして、同じ絵柄を見つけ絵と絵をつなぐ点を結ぶ線をえんぴつ放さず書きます。
「な~んだ、そんなこと!簡単じゃないか!」と言ってしまいたくなりますが、発達障がいを持った子ども達にとっては、それがなかなか難しい。
◆線でつなぐ という意味が理解できず絵の色ぬりになってしまう。
◆同じ絵柄は見つけたけれど、目線とは違う方向へ手が動いてしまう。
◆絵は見つけたが、終点で止まらず、線が流れたり、グルグル描きになってしまう。
同じ「絵と絵をつなぐ課題」は、手と目の協応・手の動きのコントロール・見比べて探す注意力を培う絶好の基本的課題です。
なんとしてもクリアさせたいものです。
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<同じ絵柄をつなぐ>ということを手介助しながら理解させていきましょう!
★★介助の方法 ★★
・まずは、えんぴつを持つ練習の時のように対面して子どもの手を介助します。
・右利きの子の場合は、右側の絵から左側の絵に向かってつながせます。
何故そのような介助が良いのか?
左側から右側につながせようとすると、右側の絵は腕の下に隠れてしまい、探しきれなくなるからです。
◎そこで右側の絵を始点として、左側の同じ絵につながせます。
(左利きの子はその反対です。)
◎子どもにえんぴつを持たせ、始点となる絵柄から反対側の同じ絵に向かって、「同じもの!」と言いながら、軽く支えた手を紙から浮かせて 2~3往復 させます。
◎子どもの目線がきたところで介助していた手を放します。
◎そうすると、<絵と絵を線でつなぐ>を理解し、かつ直前の介助による手の動きを覚えているので、線でつなぐことが出来るようになります。
徐々に「これと同じのは?」と始点となる絵をポイントするだけで、子どもは自分で同じ絵を探して線でつなげるようになっていきます。
😊
「出来るようになれば簡単!」と言わんばかりに、自分で紙をめくりながら3枚、4枚とこなすようになるので、見守る大人も思わず「すごいね!」と言葉が出てしまいます。課題が出来るようになると、子どもの意欲、集中力もついてきます。
次回は、「合う色でぬる」の紹介です。
自閉的症状を持つ子どもは、名前は名前、色は色、形は形だけというようにに構成要素がバラバラで、赤くて丸いりんご、と統合して1つのまとまったイメージを思い浮かべることが難しい・・・。